創作から興味ある事柄まで気まぐれに綴ります
先日、久し振りに『獄門島』のDVDを観る機会があった。 もう何度も観ている作品だが、市川監督をはじめ多くの出演者が既に故人なのを考えると、やはり一抹の寂しさを禁じ得ない。 市川監督がメガホンを取った金田一耕助シリーズは全部で7本だと記憶しているが、中でも良作なのは『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』の初期3本だろう。 この3作で一旦終了となる筈がその後も2本作られ、長い年月を経た後に『八ツ墓村』が出て、更に間を置いて自作リメイクとなる『犬神家の一族』で終止符を打つ。 映画版『獄門島』は、数ある金田一耕助物でもかなりお気に入りなのだが、個人的に一つ残念なシーンがある。 ストーリーに関するネタバレは一切したくないので詳しくは書かないけれど、監督の犯人像に対する“あるこだわり”から原作とは異なる展開が加えられており、その為の布石を描写したが故に観る者を混乱させるシーンがあるのだ。 犯人が誰かを惑わせる効果が出ていると言えなくもないが、逆に関連性を抱かせてしまっている効果の方が大きい様に思う。 人によっては別段気になる事も無いと思うが、せめて後半まで犯人が誰たるかは伏せておいて欲しいという原作ファンの要望だろうか。 『獄門島』はオープニング部分とエンディング部分が秀逸で、特に後者は見終わった者に爽やかな後味を残してくれる。 市川監督はこのシリーズの金田一耕助を天使の様な存在と位置付けているらしいが、それが良く表されている微笑ましいシーンだ。 事件解決後、金田一らに大きく手を降りながら見送る小林昭二演じる漁師の姿は、薄れゆく昭和への憧憬と重ね合わせてしまい、温かく切なく私の胸を打つのである。 PR
もう7ヶ月以上も毎日プレイしているゲームソフトがある。
去年10月末に発売されたニンテンドー3DS用ソフト、『とびだせ どうぶつの森』がそれだ。 私はニンテンドウ64で第一作が出て以来、どうぶつの森シリーズは全て購入しているのだが、実はいつも2ヶ月足らずでやめてしまっていた。 ところが今作に限ってこんなに長く続いているのは、前作『街へ行こうよどうぶつの森』が前々作『おいでよ どうぶつの森』と代わり映えしないと不評だったのを反省し、シリーズの魅力そのままに細かくテコ入れしたのが大きい。 プレイヤーが擬人化された動物達の暮らす村に引っ越し、誰に気兼ねする事なく勝手気ままに暮らせるのはいつも通り。 一方、動物達のリアクションにバリエーションが増えていたり、アイテムをリメイク出来たり、村長として公共事業を行なえたり、オンライン要素が強化されているなど、「遊び手にタスクを強要するのではなく、何かやりたいなと思った時のリアクションを充実させる方向」へ進化させているのが秀逸なのだ。 村長の秘書として明るく健気に接してくれるしずえちゃんを筆頭に、多くのサブキャラクターや施設が絶妙のスタンスで迎えてくれるのも嬉しい。 随所で流れる音楽も実に豊富で素晴らしく、知らぬうちに聴き入っている事もしばしばである。 更に私が今作を長く楽しめている大きな要因は、膨大な数に登るアイテムへの執着を捨て去った事だろう。 どうぶつの森は任天堂ソフトの中でも屈指の自由度・アイテム数・カスタマイズ性を誇るシリーズであり、下手にアイテム収集にこだわるとキリがないなと以前から強く感じていた。 勿論、気に入った物があればその都度手に入れるが、限定品であろうと何だろうと特別固執しないというスタンスを取る事で、実に気軽なプレイを楽しめる様になったのは想像以上の効果であった。 今後もブログの中で度々触れる機会があると思うが、『とびだせ どうぶつの森』はゲームという媒体が産んだ、最良の存在の一つとの思いを強くするばかりである。
以前言った通りバイオハザードリベレーションズ(私が購入したのはWiiU版で、他にPS3・Xbox360・PC向けにも発売されている)のソフトレビューを書いてみようと思うが、今回はこのソフトに興味を持っているであろう人、つまりバイオハザードシリーズのファンや3DS版を既にプレイ済みでこれを買うべきか迷っているユーザーの参考になりそうな点に絞って行いたい。
いつも通りストーリーに関するネタバレはしないが、このソフトはバイオハザード4と5の間に起こった話であり、キャンペーンモードはドラマ仕立ての章形式で進行していく。 一度章をクリアすると元には戻れないが、メインストーリーの方は後半近くまでマップを行き交い出来るし、武器・弾丸・カスタムパーツは難易度を跨いで持ち越し可能だ。 このソフトが近年のバイオハザードシリーズの中でも高評価を受けたのは、閉鎖空間が舞台なのも手伝ってホラー要素が高まっているのと、アイテムボックスの復活やカスタムパーツにより武器のカスタマイズ性が生まれた事、そして色んなキャラや武器でステージクリアを目指すレイドモードの存在だろう。 新たな敵となるウーズは人間と海洋生物の混じった異形のクリーチャーであり、ゾンビや寄生された人間以外の者を出した事でマンネリ感が薄れたのも大きい。 反面、4・5・6の様に銃で急所を撃って怯んだ相手に体術を決めまくるという戦法は難しくなっているので、アクション主体のバイオハザードが好きな人には物足りなく感じるかも知れない。 ちなみにQTE(クイックタイムイベントの略で、咄嗟に表示されたボタンを押さないと死んだりする演出。製作者側は手軽に任意の演出が出来るためよく使われるが、近年はプレイヤーがこれを嫌がる傾向にある。実際、QTEを多用したバイオハザード6は、国内外で大きく評価を落としてしまった様だ)は皆無に等しいので、そこはご安心を。 操作方法は『シューティング』と『クラシック』の2つがあり、『シューティング』には移動しながら好きな方向へ射撃可能というメリットが存在する(『クラシック』の移動撃ちは、銃器を構えた状態でカメラ位置が固定されてしまう)。 『シューティング』は左スティックの上下は前進と後退だが、左右がサイドステップになっていて、操作キャラクターを行きたい方向へ移動させるには右スティックでカメラを動かす必要がある。 これは全機種のバージョンに共通している事だが、この『シューティング』操作のエイミング(銃の狙いを付ける事)が思い通りに行かず、複数の敵を相手にした時などは軽いパニックに陥ってしまう事もしばしばだ。 まぁ慣れればもっと上手く操作出来るかも知れないが、何かのボタンを押した時にキャラクターの正面へカメラが来るという様な補正機能があれば良かった気もする。 この様に初めてプレイする人にはかなりお薦めのソフトなのだが、難しいのは既にニンテンドー3DS版をプレイしている場合だ。 まずグラフィック面だが、今回HD機向けに新たに作り直されているものの、意外に大きく進化した印象は受けず、ウーズやハンターなど裸眼3Dによる生々しい効果を失った為にインパクトの薄れた物もある。 キャンペーンのシステムやストーリーに殆ど変化が無いのも、既にプレイ済みのユーザーには二の足を踏ませる要因だ。 ただ、敵の耐久度が上がっているらしく、3DS版と同じ調子で挑むと思わぬ苦戦を強いられる事もあるので、これを新たな魅力と捉える人も居るだろう(インファーナルという最高難易度も追加されている)。 そうなると本作の目玉と言うべきレイドモードに期待を寄せたくなるが、こちらも3DS版より難易度が向上しているとみえて、経験者でも結構厳しく感じられる。 制限時間に縛られず好きなキャラクターにカスタマイズした武器を持たせて色んなステージに挑むこのモードは、個人的にかなり魅力的なシステムであり、いっそこのレイドモードを大きく拡張した物を本編にしてはどうかと思うほどだ。 今回初めて体験したバイオハザードファンの中にも、気に入った人が多いのではないだろうか。 レイドモードには新しい操作キャラクターやウーズが用意されており、同じ武器でも特性の異なるバージョンが複数存在するなど、キャンペーンに比べてかなり手が入っている。 最後にWiiU版の特長を少し紹介しておこう。 まず家庭用ゲーム機では唯一1080p出力に対応しているので、フルHD対応テレビならより綺麗な画質を楽しめる(ただし元の解像度は720pと思われる)。 また複数のプレイスタイルに対応していて、『TVを見ながらゲームパッドで操作』・『TVを見ながらPROコントローラーで操作』・『ゲームパッドの画面を見ながらPROコントローラーで操作』・『ゲームパッド単体でのプレイ』とバリエーション豊かだ。 バイオハザード4・Wiiエディションで好評を博した『Wiiリモコン&ヌンチャク』の操作に対応していないのは残念でならないが、3DS版のバイオハザードリベレーションズをプレイ済みの人にとって、一番セールスポイントが多いのがWiiUバージョンではないかと思う。
このタイトルは以前このブログでも簡単に紹介した同名のニンテンドー3DSソフトを、据え置きゲーム機向けにHD化した物である。
今回は現在配信中の体験版のプレイ感想を、操作方法に軸を置いてレビューしてみたいと思う。 私が触ったのはWiiU版であるが、このバージョンは画面付きコントローラーの『WiiUゲームパッド』と、従来型のコントローラーを踏襲した『WiiU PROコントローラー』の2つに対応している。 ゲームパッドでプレイする場合は、パッドに情報を表示したりタッチしてアイテム選択可能なタイプ、パッド単体で遊べるタイプ、パッドに何も表示しないタイプ(画面を持たないPROコントローラーはこのタイプのみ)から操作を選ぶ事が出来る。 また、ゲームパッドにゲーム画面を表示してPROコントローラーでプレイするという混合操作も可能だ。 このソフトは、より直感的に動かせる『シューティング』と、従来のバイオハザードシリーズに近い『クラシック』から操作方法を選択するのだが、これらには明確な違いが存在する。 まず『シューティング』の移動は左アナログスティックで行うが、前進と後退は通常通りながら、左右方向は視点を固定したまま横へスライド移動するサイドステップとなっているのが大きな特徴だ。 よって進みたい方向へ移動するには、右アナログスティックで視点変更しながら左アナログスティックを動かす必要がある。 こう書くと煩雑な操作に思えるが、実際にやってみるとバイオハザードシリーズ経験者ならすぐに慣れると思うし、移動しながら照準を動かすにはこの方が効果的なのだろう。 『クラシック』なら左アナログスティックだけで自由に移動出来るが、移動撃ちする場合は視点を完全固定したままとなるので実用性が低く、事実上その場を動かず照準を付ける従来の操作方法だと考えた方が良いかも知れない。 惜しむらくはバイオハザード4・Wiiエディションの様にリモコン&ヌンチャク操作に非対応な所で、3DS版でさえ本体を動かして照準を付けるモーションコントロールが用意されていたのに、何故これを採用しなかったのかとの思いを抱くユーザーは多いのではないか。 もし可能なら、発売後のアップデートでリモコン&ヌンチャクの操作に対応して貰いたいものである。 私は3DS版をクリアしているがWiiU版も購入予定であり、今回の体験版は据え置き機での操作感を確認する良い機会となった。 恐らくWiiU版のソフトレビューもネタバレを回避しつつ行うつもりなので、興味のある方は参考にして頂きたい。
5月5日、久し振りに遠出をして兵庫県立美術館で開かれている『大河原邦男展』へ行って来た。
いまさら大河原邦男氏の経歴を書き連ねるのはやめておくが、アニメーションや玩具の世界を中心に活躍しているメカニカルデザイナーで、子供向けから大人向けの作品まで幅広いジャンルに膨大な量のデザインを供給し続けて来た人物である。 この日はゴールデンウィーク真っ只中な上に、大河原氏のサイン会や高橋良輔監督との対談が予定されており、展覧会が開かれている期間中で最大の目玉が揃っていた。 それだけに行列を警戒した私と友人は、午前10時会場より2時間早い午前8時にJR灘駅で待ち合わせしていたのだが、そこから10分ほど歩いて美術館へ着くと既に数百人の人々が列を作っているではないか。 サイン会も対談も先着順であると分かっていたので、早々にイベント参加を諦めた私達は、周辺の店で会場まで時間を潰した後に改めて美術館を訪れた。 空調の効かないロビーで入場券を買うのに長時間並ばされたのには閉口したが、その途中で現地に到着した大河原氏本人がロビーを通って控え室に向かったので、その姿を見る事が出来たのは幸運だった。 私はそれなりにではあるが氏のデザインした資料を所有しており、今回展示されているのも初見の物は多くないだろうと予想していた(実際その通りだったのだが)。 ただ、長年親しんできたメカニカルデザインを創造した当人に一目遭えればという気持ちで訪れていたので、例え一瞬でもそれが叶ったのはやはり嬉しいものである。 貴重な原画や有志作製の実物大スコープドッグを見れたのも良かった。 趣味嗜好という物は年齢を重ねるうちに随分と変わって行くのだが、大河原邦男氏のメカニカルデザインは、少年時代と変わらず未だに私を魅了して離さない。 2013年の5月5日は、それを再認識した日となった。 |
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