創作から興味ある事柄まで気まぐれに綴ります
今回は、私としては珍しく最近の映画の感想を短く書いてみたい。 表題の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、言うまでもなくマッドマックスシリーズの最新作である。 この映画が評判になった理由は幾つかあり、一つは70代の監督とは思えぬほどのエネルギーに満ちたノンストップムービーに仕上がっているからだろう。 核戦争により荒廃し切った世界を舞台に、生存と自由を掛けて主人公達が支配者に抗う姿は、台詞を極力少なくし動きで見せる演出と合間って理屈抜きに引き付けられてしまう。 今度のマッドマックスは凄いとの噂に期待し過ぎたせいで、個人的に手放しで絶賛するという程ではなかったが、いきなり映画館でこれを観た人達には強烈な印象を与えたのは十分納得できる。 今作と同じテーマで作られた傑作『マッドマックス2』はメル・ギブソンの存在感が光ったが、怒りのデス・ロードの実質的な主人公はシャーリーズ・セロン演じるフュリオサで、トム・ハーディーのマックスはそれを支える相棒といった印象だ。 弱肉強食(強者にも容赦ない環境だが)の世界観は昔と同じものの、細かい状況説明はあえてしておらず、年齢制限に響くようなシーンも直接描かずに写雰囲気を匂わす程度にとどめている。 細かい説明を殆どせずに物語をどんどん進められるのは、マッドマックスのネームバリューがあるからこそか。 敵役たるイモータン・ジョーが単純な破壊的支配者ではないのも特徴的だ。 弱者の人間性を蹂躙する独裁者である一方、家系を存続させようと老体に鞭打ちながら陣頭に立つ執念は憐れですらある。 また、この映画の女性達は極めて隷属的な立場に置かれているが、反旗を翻したフュリオサとイモータン・ジョーの妻たちを行動的に描く事で、視聴者に前時代的な映画という印象を与えない様にしている。 (それでも不愉快な気分になる女性は相当数いると思うし、この映画を評価する人間の殆どは男性であろう) 大作なので時代に合わせた表現になるのは仕方ないが、「マッドマックスはこうなんだ」というジョージ・ミラー監督の徹底したこだわりが滲み出ており、その臭いを感じ取った往年の映画ファンとって堪らない作品ではないだろうか。 ※日本語吹き替えの一部キャストに不満が出たようだが、実際に聞いてみるとそれほど気にならない。 とはいえ、初めて観る時は字幕がお勧めであるが。 PR |
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