前回予告した通り、WiiU用ソフト『レゴ マーベル スーパーヒーローズ ザ・ゲーム』のソフトレビューをしてみたい。
なお、ストーリーモードをクリアした時点でのレビューなので、収集要素やクリア後に追加されるステージ等は殆ど手つかずであるのを先に断っておく。
レゴのゲームソフトは、映画や漫画などの媒体とレゴブロックがコラボレーションした物が海外を中心に数多く販売されており、今では殆どのハードにマルチ供給される人気シリーズとなっている。
このソフトもその中の一つで、マーベルコミックに登場する多くのヒーローとヴィラン(悪役)達の戦いをレゴブロックでコミカルに表現したゲームだ。
ゲームの流れとしては、ヘリキャリアという飛行母艦を基地としながら、ニューヨークの街中にあるポイントへ行って各ステージへ挑むというスタイルで、一度クリアしたステージは好きな既存のキャラクターや自作のキャラ(ヘリキャリアで作成)で何度でも遊ぶ事が出来る。
ニューヨーク内は一種のオープンワールドになっていて、隠されたアイテムを探したり、住人達からクエストを受け条件を満たすと報酬が貰えるという仕組みだ。
最終的に操作可能なキャラクターは100人近くになるし、各収集要素を考えると相当なボリュームだろう。
肝心の面白さもこれまでのレゴシリーズと同じく高い水準を満たしているので、興味のある方には是非オススメしたい…と言いたい所なのだが、本作には他のコラボレーションソフトと同じ問題点を内包している。
それは「原作を知っているのと知らないとでは、魅力も評価も大きく違ってしまう」という事だ。
かく言う私も、劇中に登場するキャラクターや物語の多くを知らず、それが為に思い入れという部分がほぼ皆無に等しい。
レゴスターウォーズをプレイした時には、原作を知っている者しか気付かない様なこだわりにニヤリとさせられた記憶があるし、この部分は非常に大切な要素なのだ。
ゲーム自体は良く出来ているので買って損と感じる事は少ないと思うが、マーベルコミックのヒーロー・ヒロインに関する知識があるユーザーの方が楽しめるのは間違いないだろう。
ちなみにWiiU版はゲームパッドでの単体プレイに対応しているが、他のハード向けと違ってDLC(ダウンロードコンテンツ)のキャラクターが居ない様だ。
元々知らないキャラクターなので居ても居なくても大して問題無いのだが、他にあってWiiU版に無いというのはマイナス点と捉えられても仕方ないか。
また、相変わらず説明不足のきらいがあり、最初はどこへ行って何をすればいいのか分からず戸惑う事になるかも知れない。
あと『レゴシティ アンダーカバー』との相違点に少し触れておく。
『レゴシティ アンダーカバー』は任天堂とのコラボレーションタイトルではあるが、あくまでオリジナル作品なので寧ろこのソフトの方がレゴのゲームソフトでは異色の存在だけれども。
●原作が無いので、プレイヤーを選ばず誰でも楽しめる(ニンテンドー3DS用ソフトに『レゴシティ アンダーカバー チェイス ビギニング』という前日譚を描いた作品が存在する)。
●ゲームスタート時と警察署の出入り時に長い読み込み時間が発生するものの、他のレゴシリーズより広大で完全なオープンワールド。また、そこの至る所に仕掛けられた膨大な収集要素。
●原作付きのレゴシリーズではお約束だった物から解放され、マンネリ感が薄れた。
これらの点は『レゴ マーベル スーパーヒーローズ ザ・ゲーム』よりも『レゴシティ アンダーカバー』の方が優れている部分だと思う。
逆に『レゴシティ アンダーカバー』はチェイス・マケイン一人しか操作キャラクターが居ないし、戦いに重きを置いていないのでその部分が『レゴ マーベル スーパーヒーローズ ザ・ゲーム』よりも弱い。
個人的には『レゴシティ アンダーカバー』の方が好みだが、『レゴ マーベル スーパーヒーローズ ザ・ゲーム』も次第点をクリアした面白いレゴゲームだというのが正直な感想である。
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