創作から興味ある事柄まで気まぐれに綴ります
先日、久し振りに『獄門島』のDVDを観る機会があった。 もう何度も観ている作品だが、市川監督をはじめ多くの出演者が既に故人なのを考えると、やはり一抹の寂しさを禁じ得ない。 市川監督がメガホンを取った金田一耕助シリーズは全部で7本だと記憶しているが、中でも良作なのは『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』の初期3本だろう。 この3作で一旦終了となる筈がその後も2本作られ、長い年月を経た後に『八ツ墓村』が出て、更に間を置いて自作リメイクとなる『犬神家の一族』で終止符を打つ。 映画版『獄門島』は、数ある金田一耕助物でもかなりお気に入りなのだが、個人的に一つ残念なシーンがある。 ストーリーに関するネタバレは一切したくないので詳しくは書かないけれど、監督の犯人像に対する“あるこだわり”から原作とは異なる展開が加えられており、その為の布石を描写したが故に観る者を混乱させるシーンがあるのだ。 犯人が誰かを惑わせる効果が出ていると言えなくもないが、逆に関連性を抱かせてしまっている効果の方が大きい様に思う。 人によっては別段気になる事も無いと思うが、せめて後半まで犯人が誰たるかは伏せておいて欲しいという原作ファンの要望だろうか。 『獄門島』はオープニング部分とエンディング部分が秀逸で、特に後者は見終わった者に爽やかな後味を残してくれる。 市川監督はこのシリーズの金田一耕助を天使の様な存在と位置付けているらしいが、それが良く表されている微笑ましいシーンだ。 事件解決後、金田一らに大きく手を降りながら見送る小林昭二演じる漁師の姿は、薄れゆく昭和への憧憬と重ね合わせてしまい、温かく切なく私の胸を打つのである。 PR |
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