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創作から興味ある事柄まで気まぐれに綴ります
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先日、アマゾンでセール中だった『シャーロック・ホームズの冒険 ブルーレイボックス』を購入した。

値段が値段だけに買うべきかどうか数年間悩んでいた商品だったが、今回のセールを機会に思い切って入手を決めた。

税込
32000円ほどで、以前紹介した『江戸川乱歩の美女シリーズ ブルーレイボックス』と並んで私がアマゾンで購入した商品の中ではかなり高額の部類に入るだろう。

これは英国グラナダ
TV1984年から1994年までの10年間に渡り全41話を製作した作品で、シャーロッキアン達も太鼓判を押す良く出来たドラマシリーズである(日本ではNHKが一部カットして放映した)。

主演の故ジェレミー・ブレッド氏の容貌と役作りは、シャーロック・ホームズ譚がストランドマガジンに連載されていた際にシドニー・パジェットが挿絵を描いたホームズに酷似しており、テレビドラマらしからぬ入念な考証と凝ったセット・小道具もあって、当時のホームズファンに驚きをもって迎えられた。

ブレッド氏の声を担当した露口茂氏の演技がまた最高にハマっていて、日本のファンが吹き替えの方により愛着を抱いている人が多いのも頷けるだろう。

本ブルーレイはマスターテープからの
HD化で画角は43ながら映像は良好な部類に入る。

日本語吹き替えは
NHK版がメインとなっているが、カットされた部分になると後年に吹き替えられた音声が差し込まれる為、そこは少々気になるかも知れない。

付録のブックレットの中身も中々充実している。

演技・脚本・演出・美術&小道具・吹き替えのどれもが優れている作品だし話数も
41と多いので、当時のTV放映を懐かしむ人もまだ観た事が無い人も、シャーロック・ホームズに興味のある方なら買って損のないブルーレイボックスと言えるだろう。


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先日、ようやくエクソシスト3のブルーレイを入手したので感想を書いてみたいと思う。

いつもと同じく極力ネタバレはしない方針なのでご了承いただきたい。

以前、映画「エクソシスト」について書いたと思うが、このシリーズはこれまでに
4本制作されていて、今作は題名通りその3作目にあたる。

第一作目の原作・脚本・製作を手掛けたウィリアム・ピーター・ブラッティ
(以下WP・ブラッティ)が、「エクソシスト2」の出来に不満を持ち正統続編として監督したという。
(自著「レギオン」を元にしており、本来はエクソシストの続編としての製作は望んでいなかった様だが)

「エクソシスト
2」も「メデューサタッチ」と並ぶリチャード・バートンの怪演や、異国で行われる若き日のランカスター・メリン神父と悪魔の死闘など見るべき所は多いのだが、やはり前作の迫力や格調高さには及んでいなかった。

とはいえ「エクソシスト3」も監督が
WP・ブラッティという大きな違いがあるし、時代経過により映画作りのトレンドが変わっているので、第一作とただ同じ様な作品にはなっていない。

だが、舞台となるジョージタウンの土着的な描かれ方や溜めのある怖がらせ方には現実感を持った重みとそれを掻き乱す恐怖があり、第一作と根底を同じくする物だと確信させてくれる。
(WP・ブラッティの監督二作目とは思えぬクオリティーだったので、以前ビデオ版を見た時に驚いたのを覚えている)

古典的な怖さとサイコスリラー的な怖さを併せ持つこの映画だが、終番に入るとそれまでのジワジワ迫る演出からスピーディーでエンターテイメント性を持つ演出に変わるので初めて観る者は面食らうだろう。

そしてそこからラストまで怒涛の展開となるのだが、この辺は見る人によって評価が分かれるかも知れない。

そもそもエクソシストは続編的な展開はするべきでは無かったとの意見があるのも事実で、偉大な作品が出るとその人気にあて込んだ続編とそれに対する批判が出るのはいつの世も同じという事か。
 
「エクソシスト
3」は、初作と並ぶ或いは超えるという映画ではないかも知れないが、正統続編として色褪せぬ魅力に溢れており、あらためてWP・ブラッティが描く世界の独自性を思い知らされた次第である。

なお、日本で発売されているブルーレイ版は吹き替えも無いし特典は予告トレイラーくらいなので最低限の仕様という感じだが、肝心の画質は良好だったのでそこは安心した。


※本作を観る前に必ず「エクソシスト」一作目を観ておく事を強くお勧めする。
主要な登場人物や物語が深く繋がっているので、理解度や恐怖感に大きな違いが出てしまうためだ。


今回は1977年公開の邦画『犬神の悪霊(たたり)』について少しだけ書いてみたいと思う。

日本版エクソシストだのオーメンだのという謳い文句に釣られてわざわざ
DVDを購入して観たこの作品だが、オカルト映画というよりも怪奇映画と呼ぶ方が相応しく、その意味では「祟り」とした題名通りの内容である。

主人公を含む若者三人が、部外者が踏み入る事を禁じた場所へ知らずに侵入した挙句に祠を壊すわ犬を跳ね殺すわをやらかし、その報いを受けるという非常に分かり易いストーリー。

ハリウッドの正統派ホラー映画はどこか乾いた感覚があって、それが逆に恐怖を醸し出すという感じだが、この映画は和製ホラーによくある湿り気をも超えて油ぎっている。

折角の怖さを娯楽性が打ち消している場面も多く、最後の攻防はセット丸出しの建物と照明の明るさが無ければもっと怖いシーンになっただろうと惜しく思った。

ただ、妙なギラつきと娯楽性を持った「祟り系怪奇映画」だと思えばなかなか面白い作品ではないだろうか。


今回は発売したばかりの「死霊伝説 完全版」のブルーレイをレビューしてみたいと思う。

これは「セーラムズ・ロット」の題名としても有名なゴシックホラーで、元はテレビシリーズだった物を映画として再編集した作品である。
(ちなみに完全版では無い方だと、重要人物の消息が分からないまま終わってしまう)

原作はスティーブン・キングの「呪われた町
セーラムズ・ロット」、監督は「悪魔のいけにえ」や「スペースバンパイア」などで知られるトビー・フーパー。

地味ではあるが、ホラー映画ファンから長年愛され続けて来た名作だ。

死霊~とは言っても吸血鬼が題材の映画で、かつてセーラムズ・ロットに住み今は小説家になった主人公が、新作を執筆する為に久し振りに故郷を訪れた所から物語が始まる。

元々が数十年前のテレビシリーズなので残酷描写等のどぎつい表現は無いに等しいし、物語の展開も今とは違ってかなりスローテンポだが、高解像化しても相変わらず恐ろしい特殊メイクや緊張感のある演出は実に見応えがある。

私は
DVDも持っているのだが、画面サイズは4:3のままながら画質はかなり向上していて、既存のファンでも映像面に不満を感じる事は無いだろう。

特典はトビー・フーパー監督による音声解説とオリジナル劇場予告編くらいだが、そのぶん値段もお得なのでこれは是非お薦めしたいブルーレイディスクである。


今回は絶賛上映中のシン・ゴジラについて、自分なりの感想を書いてみたいと思う。

なるべくネタバレは避けるつもりだが、この映画を観るつもりならば何の予備知識も無い状態でのぞむのがベストなので、鑑賞後に読まれる方が良いと予めお断りしておく。

さて、本来は簡単なあらすじを紹介しながら注目ポイントを個別に紹介するのがセオリーだろうが、今回はネタバレを避けたいのでそれはやめて、シン・ゴジラに興味を持つ人が気になっているであろう事について挙げてみたい。

○子供向け・恋愛・家族愛などの要素は皆無と言ってよく、ごく僅かに挿しこまれる感傷的な場面が鼻に付いてしまうほど。

○昔の怪獣映画にあった怪奇性と恐怖性を醸し出しているが、ゴジラという想定外の災厄に見舞われた日本政府の内幕を中心にポリティカルな視点で描いている。
国際社会における日本の安全保障上の立場にも一歩踏み込んでいるが、これについての監督の思想というか考え方が結構ストレートに盛り込まれているのが意外だった。

○当たり前と言えば当たり前なのだが、今回のゴジラも強い。
敢えて詳しくは触れないが、小さいお子さんにはトラウマを与えかねない場面もあるので注意が必要かも知れない。
それはただ凶暴というのではなく、神罰というか苦痛の解放というか、残酷だが哀しく美しいのである。

○本作のヒロイン(実際そんな存在は居ないのだが)ともいうべき
FBI所属の日系というキャラクターは噂通りであった。
ただ、製作陣の好みでああいう演出になったのだとしたら、役者さんを責めるのは酷であろう。
まぁ、ひと癖あるやり手にしては可愛いらし過ぎるとは思うが・・・。

2014年のハリウッド版ゴジラと比べてどうなのか気になる人も居るだろうが、これは観る人間の好みによって分かれる。
あちらは平成ガメラシリーズに酷似した設定の地球の調和を保つゴジラであり、シリーズ化に則した人間寄りの存在として描かれている。
一方、今回のゴジラは日本(ひいては世界)を滅ぼしかねない災厄的存在であり、当面は共存不可能な対象だ。
この決定的なスタンスの違いが両作品をまるで別物にしていて、見比べると非常に面白い。
全体のクオリティーは高いが無難の域を出ていないハリウッド版ゴジラに対し、邦画の限界が見え隠れしつつも作家性テンコ盛りのシン・ゴジラという感じだろうか。


シン・ゴジラは日本人向けに作られた怪獣映画といって差し支えないと思うし、そういう意味ではグローバルマーケット向きではない。

会議室を舞台に専門用語が飛び交うシーンの応酬が続く演出に耐えられる観客が海外にどれだけいるか考えると、かなり厳しいだろう。

CGについても、ここはもうちょっと頑張って欲しかったと思うシーンが少なからずある。

だが、往年の怪獣映画ファンはまだ邦画でもここまでやれるんだと希望を持ったろうし、観る者の心に棘を残し後から色々考えたり語り合ったりしたくなる様な素晴らしい映画であるのも間違いない。

庵野監督をはじめとする製作陣が、予算と時間が限られた中でこれだけの物を作り上げた事に今は敬意を表したい。

少なくともゴジラをはじめとする怪獣・特撮の映画ファンなら、猛暑の中でも映画館に足を運ぶ価値のある作品だ。

ぜひ大成功して日本の特撮映画を未来に繋げて欲しいと切に願う次第である。




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